私が所属する学会の例会に参加してきました。メインテーマは6次化産業。 1次+2次+3次=6次産業言うことで、農商工連携を指します。
確かに、1次産業産品をそのまま規格品として売るのは、国際取引でも発展途上国が原料を輸出して、付加価値は先進国が付けてまた高くなって帰ってくる構図と同じ。
私は、繊維製品の世界にいたから、オーストラリアがかつて原毛を輸出するとき羊の毛を刈ってそのままドンゴロスに入れて低付加価値で輸出していたのが、現地で洗毛、番手品質に必要なマイクロン管理までするようになって、商品として売るようになったことは案外古い歴史です。
今は、もっと積極的に地産地消から商品に加工して販売チャネルを模索して、販売する。JAの様な既存の原料管理販売ルートに乗せない取り組みが各地で行われ、農水省も積極的に予算を落としている。
経産省ルートで種々の商工連携をしようにも、既存のチャネルが確立していて崩せないし予算を獲得する組織が固定化されてしまっている。TTPも結局はアメリカにやられて、どこかの評論家が第二の開国だって叫んでいるけど、まさか、不平等条約を結ばれた歴史も当時の開国と同じと思ってやしませんでしょうねぇ。
希有で済めばいいけど。
でも、私は、いくらTTPで安い農産品が入ってきても、某アジア大国の農産物(上海ガニが好きな5歳の女の子が毎日食べていたら、胸が膨らんできた。原因はカニの養殖に使う成長ホルモン剤らしいとのニュースをさもありなんと納得する自分が怖い)と狂牛病の検査を甘くせよと主張する国の牛肉は食べたくありません。最近めっきり外食が減ってきて、この二国の食品を避けようとすると自然に外食意欲が沸かなくなるんですよ。
私の会社でも、福島原発事故で中国人研修生が騒ぎました。説明会を懇切丁寧に行いました結果今は落ち着いているけど、正直失礼ながら、母国で食べている食品の方が心配だろうがと言いたくなるのですが、そこはぐっと我慢しています。
数年前、ミンボウの縫製工場へ1週間言ったとき、現地ではオレンジの様なおいしい果物の実と皮の間に大量の虫がわく被害が有って、国がひたすら伏せているけど、上海近郊の市民は皆知っていて、食べない。食べるのは知らない外国人観光客と冗談交じりに言っていた。TTP参加の是非は糸で縄を買った歴史とか、繊維の輸出規制とか、繊維産業に身を置いていた身からすると、今度はどの産業を贖罪にして、貿易産業立国を維持するのだろうかと危惧を持ちますが、どうか、国益が最終的には国民益の省略で有ることを忘れないで欲しい物です。このフレーズは内橋克人氏がラジオでおっしゃっていましたね。