日刊工業新聞社発行の月刊誌「機械技術」という結構発行部数が多い専門誌に毎月4ページ頂いて、生産マネジメントを24回シリーズでさせて頂いております。自分一人では手に余りますので、私の師事している先生からお声がけ頂いて、結構その方面でご活躍の先生に僭越ながら、私がとりまとめ役に。
 昨年の7月に出版社から頂いて、編集者が名古屋まで来て頂いて、先生方と打ち合わせましたが、先生方も総合的に生産マネジメントを執筆されていないため、と言うより、実務家(実際に製造会社で事業部長級の経験)でないと、全体を網羅することはできませんので、全体像がイメージできないため、ご自分の得意分野を強く主張されるんです。それはそれで良いんですけど。編集者の希望は、機械技術誌読者はその道のプロで、逆に全社を俯瞰するポジションにないため、そう言う人によく分かるように、そう言う人たちの立ち位置が明確になるようにしてあげてほしいって。仕事をしていると、自分の範囲しか意に関せずって人を少なからず見かけます。全体を見る能力が無いのか、元々関心がないのか、自分の仕事に熱心なのか分かりませんが。
 私も設計開発しているときに連日連夜午前様。ひどいときは徹夜。一ヶ月間毎日午前3時まで仕事して帰宅して7時まで寝て、シャワーと朝食ですぐに出勤って事もよくありました。やりがいは有ったんですけどね。特許は100件くらい持っていたし、そのうちの何件かはコンペティターとの受注競争に勝って、社長賞を頂いたし。でも、あるときフト。自分の仕事は会社の中でどういう位置づけなのかって疑問が湧きました。別に給料や職場の地位に不満が有ったわけではないです。上司からも会社の職制を使うことを考えろってよく言われたしね。何でもかんでも自分でやろうとしていたような気がします。組織って何? 仕事って本来何?ってね。そんな疑問が湧きませんかぁ。
 それで、簿記や税理士の勉強をしました。寝る間もないのによくやるわと自分でも思いましたが、疑問はそのままにはしておけません。結局企業はゴーングコンサーンで、ステークホルダーの為にあるんだって。そのために適正利益を出すことですね。 そう言うことを分かり易く解説できたら良いなあと思っています。全24回のテーマは私が決めました。一部の先生からは若干の変更提案が有りましたので修正はしましたが、基本は私の設定に納得して頂けたようです。第一回目は私が執筆。2回目以降は各先生方にお願いして、期日前に全員回覧で原稿を見せて頂きます。私はシリーズ中6回くらい担当します。校正を2回くらい行って、出版社にて提出するのは主に私になります。恐れ多いことです。中小企業診断協会の理事や学会の重鎮、大学の教授や准教授ですからね。おっかなびっくりで修正を申し上げています。でも、一つ強みが有るんです。当方は現場のたたき上げ。18年間、小さいとはいえ、一工場を任されて、経営方針から利益管理まで行って来た実績があります。毎期50億のお金を会社から預かって、利益を返すって作業は心労の多い作業でしたが、500人の部下はよくついてきてくれました。そのときの体験はまさにいろいろです。職場のいじめも対応しなければなりません。そうしないと、あっという間にその職場は崩壊して、機能しなくなってしまいます。何でもそうですが構築には時間と手間が掛かりますが、崩壊は簡単です。あっという間です。これは、肝に銘じたいですね。それに失敗した企業が最近も紙面を賑わせていますがね。
 あれは、経営者の技量というか、押さえどころが悪いというか。それで犠牲者は社員というわけですね。
そうならないための手法がいろいろ研究され、実務者が使ってみて、切磋琢磨した歴史があります。そのさわりを知っておくことも必要かと。
ではまた。