おはようございます。

企業の生き残る道5 です。 生産技術の大切さをご説明しました。

生産技術は誰が使うかと言うところが、現在執筆している「生産技術」の結構重要テーマです。

私が最初の会社に入社して、生産技術開発室に配属されていた頃に主要自動車メーカー各社は生産技術の時代を訴えていました。

当時の日本の生産技術では追随したい海外自動車会社の商品に対してもどかしい思いを持っていたように覚えています。そこで、とにかく生産技術だ!ってかけ声が掛かっていました。

ところが当時就職した会社は、その数年前から新規市場開拓した商品の大欠陥で、倒産寸前の状況だったのです。これ、その責任部署に配属されたから、先輩から聞かされたので、この事実はほとんど知られていないはずです。

品質管理は机上の空論を語ることは可能ですが、生産技術はそうはいきません。結果をはっきりと突きつけられます。量産になれば誰に目にも明らかにね。

品質管理部門や生産管理部門が慌てるわけです。計画生産ができない、品質不良が多発する。って。全て生産技術を担当してる部門に責任が来ます。

果たしてそうなのでしょうか。いやいや、生産技術出身だからって、身内の養護をしているつもりはないですよ。

既に申し上げているように、まず理解して使って頂く必要のある部門は設計開発部門ですね。ここが生産技術に無頓着だとロバスト設計なんてとんでもないって事になりかねません。当時、悩まされたことは、自動車メーカーのデザイン部門です。試作ができれば量産可能なんて、いいとこ取りの勘違いをする人が多かったですから。(笑)

その説得しようものなら、購買部にこのメーカーはできないって言っているぞと言われかねませんから(実施に言われました)、どうにかして生産技術的に納得して頂く事が肝心な事となります。これは下請けの設計開発者の腕の見せ所ですから、自分たちが生産技術に疎くては話になりません。

当時そのメーカーの最高級車のチーフデザイナーから「デザインが宝石がほしいと言ったらそうなんだ。実現できないのは設計とメーカーの責任だ」って仰るんですよ。「ドアの継ぎ目のラインも無くしたいくらいだって」いや~デザイナーとしても意気込みは買いますけど、それはインダストリアルデザイナーじゃあないでしょうに。って思ったものです。この人とは、結構仲が良くて、ご近所だったので、自宅に呼ばれて夕食をごちそうになっちゃったりしてましたけど。ユニークすぎておもしろすぎ。こんな飛んでる人が、日本を代表するフォーマル車のデザインをしているのは悲劇なのか喜劇なのかでしたけどね。

話題がそれましたが、最初にボタンの掛け違いをするとあとが大変です。

その次は、生産管理部門ですね。大日程計画を立案する部署が、生産技術に無頓着だと、まともな日程計画を策定できません。図面が発行されれば、即量産工程ができあがると信じていますから。

工程能力確保?そりゃ生産技術と設計の仕事だと割り切られるとつらいですね。確実なステップを踏んで、量産試作段階前に工程の確実性の確認時間を取って頂くためには、生産技術について理解が必要です。

各企業に生産技術部というセクションが存在しますが、その意義や職務範疇はまちまちです。当社のようにそう言う看板がないところもあります。

そう言った会社の生い立ちを見ると、大抵は大企業の下請け育ちで、生産技術も発注元から教えて頂く方法で生きてきた訳ですね。それを言われたとおりに使いこなすのは品質管理部門が有ればいいって考え方です。

前社でもそうでしたが、職務の分掌分権が明確ではなく、機能組織で決めずに、物流への関わりで決めている場合が見受けられます。作業としてこの部署は何をするかって具合ですね。

そうすると、その部門で必要な技量はあまり語られることなく物量が通過しているんだから良いのではないか的な発想に陥ります。必要な技術が磨かれ無くなってしまうことにつながります。

説明がダッチロールしてしまいましたが、続きは明日に。

ではまた。