おはようございます。

企業の生き残る道5 です。
この半製品は仕掛品はどの工程の責任なのかを明確にする事は必要です。よく見る事例に「とにかく流せ!検査で見てくれる」これが一番駄目管理です。
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いろいろ抵抗勢力が有りましたし、補修工場の1社は難色を最後まで示したので、取引を止めました。
そこまでして、達成した成果です。客先からの品質評価は上がって、営業が引き合いをしやすくなり営業支援もできました。

工程内の管理の重要さがおわかり頂く一助になれば幸いです。

・・・と言うところでした。

工程管理のコツを一つ。現地現物で物を見よと言われます。最初の会社の入社2年目でカンバンシステムを導入プロジェクトに入って、工場に1ヶ月間泊まり込んで、工長ってバッチのついたおじいさんから毎朝しかられながらカイゼン活動をしていました。現場にほぼ24時間付きっきりで仕上げて行きます。10人編成のインラインを7人編成のu字ラインに変更して、自働化を組み込んでOUTPUTのタクトを依然と同じにするってノルマです。

つまり30%の生産性の向上です。 当時工業高校の電気科を卒業して半年間の実習して生産技術開発に配属されて、田口メソッドで社内規格を作れってめちゃな指示に真摯に取り組んでいたのに、いきなりそう言う目に遭いました。(笑)

しかし、現場のことは現場に聞けとはよく言ったもので、高校卒の訳の分からない者(私のことです)でも、現場の作業者とあ~でもない、この方が楽だよと言われながら、カイゼンしていくと、コツが分かってきます。

もちろん治具の改良は自分で全て行います。図面書いて誰かに頼むなんて、夕方に工長に指摘されたら、翌朝、朝早いお年寄りが出てくるまでにしておかないと、三河弁で怒鳴られてしまいますから。そのときの三河弁は聞くに耐えないですね。京都に6年いて雅な言葉に慣れている私にとってはね。(冗談です)

旋盤、溶接、フライスなど、高校時代に実習で習った事を思い出しながら、それでも現場の修理班の怖いおじさんに教えてもらいながら、ラインバランスの概念も知らない者(私です)が、バランシングするんですからね。

工場長やカンバン導入を指示している客先のカンバンの神様みたいな人。(これがまた怖い)が進捗を見に来ます。気に入らないと、工場長に向かって「分かるまでそこに立っておれ!」ってやるんです。
かわいそうに、工場長が私たちが作業しているラインが見渡せる場所で何時間も立たされていました。

しかし、じっと見ていれば分かるものなんですね。工場長なりに分かったことをいろいろ指示して、配慮して頂きました。

前職では、500人規模の工場の全てに責任を持っていましたので、終日現場にとはなかなか行きません。それで、IEの方法研究→動作研究→観察手法を使って、つまり簡単に言うと、VTRを回しっぱなしで、撮っておいて、早回しで見ます。七つのムダが早送りから明らかに分かってきます。

加工機の前の付加価値を増大させるべき配置にいないことが、一目です。あっちに行ったり、機械をのぞき込んだり。

昨日の検査の改善も、職権を使って強引に実行しましたが、実は品質の担当になった当初まず最初に気がついたのは、検査工程の多さです。これは品質に問題が有るからだと、すぐに分かります。検査工程が充実している会社の品質が良かった事は有りません。

検査工程が少ない会社は二分します。工程管理や自工程完結の取り組みがしっかりしているか、品質管理が逆に全くできていなくて、検査保証すらできない会社かです。

そこで、検査工程を見ていくことにしました。重複検査の多いことや、検査項目が作業者任せだと言うことが分かってきました。そこで、VTRがまだ高価だったときですので、会社にありませんから、自宅のを持ち込んで回しっぱなしにしたんです。 最初は、検査員は緊張していました。3日も立たないうちに慣れて、普段の作業になっていきました。3日目から数日間を早送りで見ると、明らかに検査手順書に無いことをしています。その時間が相当多い結果になりました。何だこれは?その作業を現場で実際に立って見ていると、分かりました。風綿取りです。 生地に入り込んだ、風綿つまり、工場環境の中で、漂っている繊維くずが入った物を取っているんです。検査は作業じゃあないって、作業者に言うと、補修工場へ送り込んだら、納期が間に合わなくなるとのこと。
 
 補修工場も風綿まで取るような作業をすれば納期が間に合いません。しかし、縫製後に運悪くその風綿箇所がスーツの襟に出たら、返品や選別作業になります。

そこで、どこで入るのかを綿の工程から紡績、織機、整理工程全て回って見ました。さらに、風綿の多い工程はどこかも、黒い板に粘着材を塗って、1週間工程の片隅においたんです。

その結果、織機工程の緯糸打ち込み工程で発生することが分かりました。ところが、織機工程では、そんなこと常識で、それを何とかするのが後工程だと言って譲りません。

風綿の飛び込みメカニズムも半日眺めていると分かってきますし、再現もできます。そこで、後工程の課長経験者が織機工程の課長になったので、対策をさせました。 さらに、中期経営計画に入れて、風綿が付着しないダウンブロー方式の工場エアーレイアウトに変更しました。

その結果、検査作業は半減しました。昨日の補修工場の責任体制と併せて、最終検査の工数は更に半減することに。

問題点は工程にある。解決策は現場に聞けって事ですね。

シリーズで書いていますこのブログですが、お断りを。

実は、前にも書きましたが、来月で定年を迎えます。そこで退職して会社を設立することで準備をしていました。このブログもそれが前提です。

しかし、現社ではまだまだ私のような者でも必要とされているらしく、すっぱりと退職とは行かないようで、本来なら、先週あたりから、退職前休暇を取って、それまで、忙しさにかまけて、家族のごたごたを解決していませんでしたことをする予定でした。まあ、いわゆる両親の介護問題ですね。これができなくなりました。

プラス、現在執筆中の「生産技術」の校了が7月末です。昨日も編集者から、8章立ての内1章をお送りしていたんですが、GOを頂きました。既に、5章までは上げてありますが、あと3章残っています。胸突き八丁は1章目で、生産技術の定義から必要性までを初学者に向けて書き下ろしです。これには結構苦労しました。構想して半年かかりましたね。

2章からは、詳細技術の解説ですから、これは却って楽になってきます。

その途中で、9月から開始する「工程管理」の編集会議もまとめていましたので、てんやわんやです。

昨日、これも最終編集会議でGOが出たとのこと。更に更に。某超大手自動車メーカーさんにも講義に行かれている先生から、TPSの解説本を手伝って欲しいとのご指示が。 私は2章受け持つことに。各章20ページですが、これは年内までに校了です。 とにかく、7月末の校了を済ませて、家族のごたごた解決と少しタイト過ぎな状態です。

いつも見に来ていただいて独立開業の背中を押して頂いている方々に感謝しつつ。ここはこのごたごた解決まで、小休止させて頂きます。再開予定は8月15日です。

リニューアルでお届けしますのでよろしくお願い申し上げます。

なお、HPはそのままですので、ご質問ご意見は承ります。

では、8月15日に。