2017年10月14日 10時から愛知工業大学にて自工程完結のセミナー講師をしてきました。

標準化研究学会の先生方や、学生が参加されました。

当初、リカレント教育の一環として始まった先生方のリレー講義。基本的には、QS研究会と日本規格協会でタイアップしている「実践 現場の管理と改善講座」と言うシリーズ本がありますが、そのシリーズに沿って講座を開設しています。

しかし、私が主筆させていただいた「不良低減」はなく、何故か「自工程完結」をテーマに与えられました。
各担当講師は、元々ご自分の書かれた本があって、これの講座を日本規格協会が設定していて、レジメやパワポの講義資料もできています。

ところが私の場合は、自工程完結の本も講座も無いため、この講座用にレジメなどを書き下ろさないといけないというハンディキャップがありました。

スケジュール的にはかなり厳しくて、5時間の講義分の作成は難儀なことでした。

でも、このようなテーマを頂く度に、早朝からセキデンへ出社するまでの数時間を使って原稿を作成することは大変勉強になります。
人間、特に私のようなズボラな性格は、ノルマが無いとやらないですからね。

そこで、タイ国際大会の疲れもそこそこに、まとめたことをご報告します。
SIRYOUAPPU



















この図はレジメのP16です。 自工程で品質を完結させてしまう。つまり、後工程に自工程の品質問題を持ち越さないと考え方です。
しかし、自工程だけが問題なければ良いと言うことは全体最適からするとおかしいと言うことです。
これらの相関をまとめてみました。

一言で私的に言うなら、「当事者意識」だと思います。
日本企業は、日本人は、村社会ですから当事者意識が強い社会だったはず。
しかし、90年代に欧米の成果主義が取り入れられ、経営者も株主へのコミットメントが重視されると、短期の成果が求められ、全体最適の為の当事者意識が希薄になってきたように思います。

自分さえ良ければ、自職場さえ問題なければ、いつの時代にもこういう現象は見受けられたのですが、目に余ると言うと、年寄り扱いされそうですが、企業の仕組みとして考えなければならないとしたら不幸なのかも知れません。

そして、今、自工程完結に注目されているように思います。その背景は、私なりに思うに前述の内容かと考えます。

さて、愚痴はともかく、図で大切なことは、良品条件です。
この設定がすべてを決めるといっても過言では無いでしょう。
では、良品条件はどうやって決めるのでしょうか。
これは、拙著「不良低減」でも一貫して主張している、段取り八分です。
つまり、ねらいの品質を決定するところからスタートして、工程管理基準に落とす作業をしないと、自工程だけの都合で決定すると、全体最適にならないと言うことです。

そのプロセスは、また、次回以降と言うことで。

では。