新年のご挨拶も済ませていただきました。

大晦日は毎年午後7時には寝てしまいます。 普段は、メインクライアント(三重県亀山市)に常駐しています。
そこから帰社すると、7時から8時となります。 身支度もそこそこに寝てしまいます。

そして、起床は、仕事量にもよりますが、普段は午前3時。仕事が混むと2時となります。この生活を10年以上続けてきました。

前日や溜め込んだ仕事の整理をして、クライアントへ報連相するのは早朝です。活動的な経営者は、常駐場所に到着する頃には、反応が来ることがあります。来なくても読んでいただいていることが多いですね。

それで、年末年始もそれをきっちり守ります。生活リズムは崩さないことが、健康の秘訣です。

紅白は見ないのか?って・・・見ないですね。この数十年見ていません。元々芸能界には若いときから興味が無い、というより、人生の限られた時間の切り割りをすると、そういったことのプライオリティはかなり低くなっているだけです。 それでは面白くないだろう?って・・・いえいえ。技術者として、それを転じて経営者としていろいろな方面に経験をさせていただき、お役に立てることが楽しいですから。

こう言うと、人は幅が無くては、良い仕事はできないとおっしゃる人も見えます。 お酒は、この仕事を始めるときに、家族と主な親戚を集めて、パーティーをして、それっきり断酒しました。独立開業をするからには体調管理が大切です。できる限り睡眠確保するためには、お酒は安眠を阻害します。

ゴルフも止めました。たいした腕じゃあないし、練習も含めて、すごい時間が使われます。その時間を家族との時間に充てることにしました。

診断士の先生の中にも、クライアントの社長さんと親身になろうとするなら、ゴルフや酒席のつきあいは必要だとも。その先生の経験とノウハウを話されて居るのですね。

元旦は、一年の計と仕事初めをしました。昨日は、地元の伊勢神宮に参拝をして本格始動です。

お伊勢さんまで、2時間弱。 私はいつもの時刻に起きて、シャワーを浴びて、家族を起こします。3時半には、出発。外宮に到着は、午前5時前。内宮には6時過ぎです。

この時間帯は、境内も混雑していないため、内宮の祭壇前に長い石畳の階段がありますが、一気に登って数分待てば最前列になります。

朝食は、途中にファミレスで取って、そこから父の入院先に挨拶に立ち寄って帰宅します。

暖かくて穏やかなお正月でした。

今年は、どんな年になるのでしょうか。心配の種は尽きませんが、極力身構えて進むことです。それには、

体験を経験に変えてノウハウとすることが大切です。

体験は誰にでもできますが、経験に変えるには、そこに気づきが必要です。

この気づきができないと、体験だけが通り過ぎていきます。

このことに、私自身が気づかされた体験があります。 前職は紡績会社でした。昭和の半ばからガチャ万景気が後退し、新興国に追い上げられ、リストラの嵐が吹きすさぶ産業です。

再就職して、まず、困ったのは、ノウハウが散逸してしまっていたことです。そこで、上長に、手順書の作成を上申しましたら、「君が作れ」と言うことに。 部下をもらって、全工程を1年がかりで作りました。

そこで、工程は普段は問題なく運営されています。そこにはベテランと言われる人が居て、あれこれ指示を出しています。その人達は決して休まず、熱心に仕事をしていますが、決して部下を育てようとはしません。

理由は2つ。
1.斜陽産業に来る作業者は、すぐに辞めて行くため、教えてもムダとのあきらめがあった。
2.ノウハウを明かさないことが我が身を守ることだと、経験を生かしている。

と言うことです。 これには、大変困りましたし、職場では、そういう人が二人居ると、〇〇流という工程手順が存在してしまいます。

そこで、傍目でみて、概正しい方法だろうと当たりをつけたベテランで、人格的にも一目おかれている人と構築することにしました。なかなか、ノウハウを明かしてくれませんでしたが。

作成方法は、フローチャートを作っていく方法です。 そこから、サブルーチンが発生していきます。

QC工程表を作ることなのですが、このフォームをいきなり見せると、まず、職人気質は、頭デッカチが来たと、相手にしてくれなくなります。(^0^)

そこで、四方山話から初めて、気心が知れた頃から、簡単なことから聞き出していきます。それを私がフォローチャートにまとめていきます。作業条件をマトリクスにすることもします。

そうすると、このマトリクスのあいているところはどうするのですかと尋ねることができます。

フローも、ここで問題が発生すると、どこまで戻るのかと聞くことができます。

その作業を1年続けていて、当方もだんだん気づきができてきました。 最大の気づきは、ベテランと言われる人は、頭の中にフロー図と条件マトリクスが完成していると言うことです。

どこから聞いても、応えに破綻が出ないのには正直びっくりしました。

これが、匠の技かと。。。

彼らは、体験を経験に変えて、ノウハウとして整理できている人なんだってね。

ご意見をいただいておりました。抜粋すると・・・

「色々部品があるが金属や鉄鋼材料同士が油を介して摩擦し合うのが、いまも昔も機械の実態。こういった技術をトライボロジーというのだが、そのなかでも境界潤滑技術というのが理論は確立せず摩擦損失の主な元凶であるにもかかわらず、研究者も少なく、理論がないため色々な材料同士を実験的に摩擦させるだけ。しかも実機試験とラボ実験の乖離などもあり、無用の長物扱いをされかねない中途半端な技術分野ともみられていた。
 材料技術が無いとティアワンの資格がないというが、その材料技術とはという問いを抱いて、玉ねぎの皮むきのようなことを何層にもわたり中心部分にはトライボロジーという、無気力な技術者がいるというのが実態だ。」・・というご指摘です。


最初に就職したトヨタ系のTier1メーカーでは、冷間鍛造技術開発を担当しました。金属同士のメタルコンタクトにはずいぶん泣かされました。 当時、流行りだした、田口玄一氏の実験計画法上下巻を読んで、曲がりなりにも実験計画を組んで、トライしました。


そこで気づいたのは、メタルフローにはある限界点を超えると、一気に流動化するポイントがあるのですが、そこを金型のポンチとダイの形状を工夫すると、一気にその限界点を超えることができると言うことです。


それまで、ポンチが座屈するような圧力でも流動化しなかったのが、一部の形状を工夫すると、スパーっとポンチがダイに入っていって、ワークが成形できました。 

正直言って、地味な仕事で、だから、私のような戦力外新人に回ってきたんだなと思うような仕事でしたが、最後には、のめり込んでしまって。(^0^)

仕事は望むことができるとは限りません。命令されて行うことが多いです。 しかし、自分で面白くすることはできます。 それには、仕事を通して、どれだけ気づくことができるかだと私なりに思います。

お答えになっていないとは思いますが。

日本は数年連続でノーベル賞受賞者を輩出しました。だれも手を出さないような地道な研究を続けて評価された方が多いことに気がつきますが、その陰で、人知れず埋もれた人も多く居るはずです。

生産性向上のかけ声の中、成果主義が90年代に流行りました。 そのため、目標管理が導入されて、短期間に結果を求めら評価されるという、日本の匠を否定しかねないことになりました。現在は、目標管理は部分否定されています。全面否定のところもあります。

バスコダガマかコロンブスだったかが言った言葉だと思いますが、「新たな新天地が発見されたときにはそこまで道をつけてくれた先達に感謝すべきだ」と。・・・これは、若い頃に見た、カール・セーガン博士のコスモスって番組で博士が言っていたことです。強烈に覚えています。これが見たくて、当時月給の二ヶ月分でビデオデッキを買いました。(^0^)

技術は、多段式ロケットのようなものです。衛星軌道に乗って成果を出すのは最終段のロケットとその搭載機材ですが、一段目のロケットがきちんと仕事をして始めて成立する作業なのですね。

そこを忘れないように無いといけないと思います。

年初、気合いを入れて長文申し訳なく。これからもよろしくお願いいたします。

では。