4月1日に美容室の開業をしました。
3月16日に従業員を雇い入れて本来ならそこから開業できたのですが、コロナ渦が大変なことになりそうで、美容室は濃厚接触回避で休業を要請されかねない状態でした。

そこで開店を4月1日に。それも本格的なオープンは止めて、娘が以前勤めていたお客様で新店舗を教えて欲しいと要望のあった人のみご招待としました。
一般のお客様は5月1日からとしました。

実質1ヶ月半の自主休業。 どこからも補償はありません。
その間、雇い入れ訓練よりも一段と濃い内容の教育訓練カリキュラムを組みました。

最近気がついたのが雇用調整助成金が、教育訓練カリキュラムを特別に組んだ場合に補助が出ると言うことでした。

何故今かというと、あきらめていたからです。一般的なアナウンスは昨対比売り上げの減少などの事実が必要です。
当店のような開業や開店時に出会い頭の衝突はどうしようもありませんね。
これは制度欠陥です。

中小企業の新興を図るという国の施策に則るなら、新規開業が何故漏れるのでしょうか。

ところが、5月2日に商工中金殿に相談しましたら、実質無担保無利子の融資が受けられました。
開店してさらに借金をするのは本来は避けるべきなのですが、無利子で、据え置き期間を1年にしました。
CFは当面有った方が無難ですと言う顧問税理士からの後押しもあって受けました。

そこで気がついたのは、当社は創立第5期目となります。美容室の売り上げは未だありませんが、本業のコンサル業は、いろいろあって昨対比18%減の月が何回か発生しています。
税理士の先生は正義感の強い方で、売り上げ金の繰り越し操作など1ミリも許さないです。

そこで、商工中金殿で検討した結果、該当するとなりました。
これも良い意味での制度欠陥かも知れません。

しかし、冷静に分析すると、やはりコロナの影響はかなり大きく、当初の立ち上げ想定売り上げカーブから大きく低下しているのは事実です。
これは決して創業計画の失敗では無いと断言できます。

週毎の売り上げをグラフ化していくと、社会的な動きと一致するのです。
特に政府の緊急事態布告宣言で急激な失速状態はグラフで見れば一目瞭然。

しかも、3月からコロナ対策でかなりの想定外出費が増えました。
実は、1月はじめからコロナの影響はセキデンの海外工場からの情報で概ね想定が付いていました。
セキデンでは1月中旬から非常事態生産体制に移行しました。

当店では当時最後の仕上げ段階。 この段階で急遽対策を織り込むことにしました。
幸い機材の搬入前でしたし、未だ機材関係は入手可能でした。

空調の強化、三密対策の強化はお金の問題は後回しで可能な限り実行。
元々冬期のインフルエンザウイルス対策を基本としたエアコン設備にしていましたので、それが幸いでした。

しかし、売り上げ減と、経費増は厳しい状態となりました。
そこに、従業員の休業が重なりました。
まさか、従業員を休ませることは出来ません。 そこで特別教育を実施しました。
かなり経験豊富な美容師さんですが、それでも癖があります。
これをカリキュラムを造り徹底的に摺り合わせました。

話が長くて恐縮ですが、これを9月30日申請期日ギリギリで提出した次第。
特例で4月1日以前の教育期間があればまとめて9月末までの申請が可能だと気がつきました。
突貫工事で申請を作りまして、ハローワークに提出。
電子申請も可能なのですが、正直言って、当方のようにそれなりに電子申請歴10数年でも、止めておこうって気になるほど複雑なシステム。

持参するか、郵送の方が簡単そうです。
少なくとも申請書の記入はエクセルで入力すれば計算は自動でしてくれますので簡単でした。

送付した翌日早速電話で色々ダメ出しをされましたが、そこを3日ほど頂いて再提出で受理されました。

最近巷で不正受給が話題になっていますが、制度設計の不備は免れません。
しかし、本当に困っている人に企業に渡らないのはもっと問題です。

当初、雇い入れた従業員から、自主的にお休みしましょうかと言われましたが、そんなこと出来るはずも無いです。とにかく、出来てきてもらい、給与は全額払う。 開業準備を入念にする事で合意しました。

それが今になって良かったと思っています。 最初はパートで入社して頂きましたが、ご本人の強い希望でそうしました。
半年後に提案したら正社員になって頂けました。 
美容室はとかくブラック業界と言われています。
美容師がそれに懲りて業界から離れていきます。そんな業界です。 その方もお聞きすると長らくそのような状態だったそうです。

安心して働けると思って頂いたようで、喜んで受けて頂けました。
チョットですが、昇給もしました。
顧問社労士に正規化の補助金の申請もしてもらいました。

制度を知ってうまく活用する事は国の施策に合致します。
しかし、とかく面倒な仕組みと基本知識の無い小規模事業者に優しくない制度設計が、本当に必要な経営者に渡りにくくしているなら本当に問題だと思います。

当方、中小企業診断士として、小規模事業者の現役として、なんとかお役に立てるならと思っています。

その仕組みを考えました。これはまた明日に書きます。

では。