美容室 ANNE-SHIRLEY は、お陰様で開店から6ヶ月となりました。
コロナ渦でも、予約を取れない日もあるくらいご利用頂きまして、ありがとうございます。

完全予約制。 ウエイティングルームでお客様が重ならない。 5脚の椅子は一つおきに使う。
施術時はカット台の間にロールカーテンを必ず下ろす。
非接触消毒液ディスペンサーを設置する。
ウイルス対策用抗菌フィルター搭載の加湿器付空気清浄機1機と空気清浄機1機を常時運転。
使用済みタオルは高温殺菌後密閉袋に入れて施術まで開封しない。
施術に使用した椅子や、雑誌などは毎回消毒。 

など、可能な限り対策をしてきました。

問題は、施術時にお客様にはマスクを外していただく事です。 そこで、医療用N95マスクを導入することにしました。

なかなか入手が困難で、KN95と言う(中国規格)まがい物はたくさんあるのですが。

ようやく、入手出来てお盆休み前に着荷。
早速装着訓練を行い、お盆明けから実施しました。

カウンターテーブルでのビニール設置も検討したのですが、美容室ではここでの感染も含めて、美容師がN95マスクをする方が良いのでは無いかと考えています。

語弊があればご容赦お願いいたしますが、病院に行くとカウンターにビニールやプラスチック製のついたてが設置されています。

ところが、診察室に入ると、普通のサージカルマスク。

工程管理でもそうですが、ハザードとリスクという考え方があります。

例えば、ライオンを飼育している動物園に何故子供連れで見に行けるのか。

ライオンはハザードです。 一方、ライオンに危害を加えられて身体能力の欠損などを負う可能性がリスクです。

FMEA(故障モード解析手法)がありますが、これは工程管理の常套手法です。
この方法で言うなら、ライオンに襲われて命を落とす事態は影響度と言い10点満点です。
襲われる頻度は?かなりの確率なら10点です。
襲われる事が事前に察知できるかは検出力と言いますが全く事前に回避出来ないなら10点です。
三つをかけ算しますから、1000点で満点不合格。

動物園は影響度は下げられません。 牙と爪を抜くと少しは下がるでしょうが、動物虐待です。
そこで、頻度を下げるか検出力を上げるかですね。

檻に入れることは頻度を極端に下げます。ほぼ1-3点になるでしょう。
検出力は?これは一般客には分かりませんが、管理する側はある程度檻の管理をしていれば可能となります。 5点くらいになるでしょう。

で、10×3×5×=150点。未だ高いですね。 検出度を3点くらいに下げなければ成りません。

そのために何をするかはご理解頂けると思います。

コロナウイルス。 影響度10点(3点と5点とか仰るでしょうが、死亡する可能性があるなら10点です)。検出度は?PCR検査しても判別付かないくらいですから、これは10点近い。
では、頻度を下げるしか無い。

だから、接触チャンスを下げる、消毒で無毒化して接触にならないようにしか有りません。
影響度10×検出度10ですから、頻度を1にするしか無いわけです。

G0 TOキャンペーンが如何に無謀かと言うことはFMEA的には証明できます。

人と一切の接触をしない事が一番ですが、そうも行きません。
治療室に入る前にいくらカウンターテーブルで、ついたてを立てても、治療室で接触するのですから、病院や美容室などのように施術を受けるものにマスクを外させる場所では、その施術側の徹底した飛沫防止はやり過ぎてもやむを得ないくらいです。

弊社が決して優れていると思っているわけではありませんが、工程管理のプロとしてFMEAを理解しているから、的を得た対策を打ちたいと思っています。

それが顧客対応と言うことでしょう。マーケットインの思想です。
いま、市場から求められているのは、コロナ渦で安全安心なサービスの提供力です。

意地悪的な事を申し上げるようですが、FMEA的に見て、色々な施設やサービスを拝見すると、工程管理のその企業さんの理解度と達成度が、ひいてはその企業の品質が自ずと分かるため面白いと言っては語弊がありますが、参考になります。